9 月 2008
タイミングベルトの短所(1)
今回は「タイミングベルト」の短所について、少し詳しくみていきましょう。
かつて「タイミングベルト」が隆盛を極めた要因は、長所が多くあったからです。
それまで使用していたローラーチェーンと比較しても、自由度が高く軽量で、騒音も小さく、かなり重宝されていました。
しかし長所ばかりというわけではなく、デメリット(短所)もいくつかあります。
まず第一に、交換時期が金属チェーンの場合よりも早い点が挙げられるでしょう。
一般的には、10年、10万km走ったら交換時期といわれています。1日の走行距離は人ぞれぞれなので、何ヶ月、何年に一度なのかというペースについては、断定はできませんが。
また、当然のことですが車の痛み方もドライバー次第、運転スタイル次第です。
一律というわけではないので、この10年、10万kmというのも目安にしか過ぎません。
しかしながら、金属チェーンよりも短命であることは確かで、その点においてはどうしても欠点といわざるを得ないでしょう。
交換時期に関して以外でも、短所といわれている部分がいくつかあります。
「耐久力」に関するポイントですが、ゴムやポリウレタンを材質としているので、切れてしまうリスクがあるのです。
タイミングベルトが切れてしまうと、車は走らなくなります。また、走行中にタイミングベルトが切れるとエンジンが極端に傷んでしまい、故障の要因となる可能性が極めて高いといえます。
これは非常に危険なことなので、可能性自体は低いのですが、デメリット要因としてはかなり深刻度が高いといえます。
タイミングベルトの長所
耐久性の問題から交換時期のサイクルの短さなどの問題を抱えて、タイミングベルトはかつての輝きを失っています。
現状では需要も少なくなってきていますが、かつてはエンジン部品の主要部位を占めていて、今もまだ採用している自動車メーカーも少なくありません。
それには理由があります。当然ながらそれだけの価値があるということなのです。
今回はタイミングベルトの長所について、いくつかあげてみたいと思います。
まず第一に、タイミングベルトが安価であることが挙げられるでしょう。
合成ゴムやポリウレタンを主な材質としたタイミングベルトの代わりに、金属のチェーンを使用する場合には、その原価コストはかなり高くついてしまいます。
メーカーにとっては、コスト削減という観点から、タイミングベルトを使用することが多いということですね。
金属とは違い、潤滑油(オイル)が不要というのもコスト削減には重要なポイントとなっています。
つまり、オイル及びオイル交換の必要性が少ないからです。
「オイル交換」は、ドライバーがつい忘れがちになるので、エンジン不調につながる要因でもあるので、その心配が少なくなるというのは大きなポイントといえるでしょう。
もちろん長所はコスト面だけではありません。
ほかの長所としては、素材面からくる「軽量」であるという点が挙げられるでしょう。軽量化ということは何もレース用のクルマだけの課題ではありません。
部品の重量が小さいほど、エンジン、車体全体にかかる負担が少なくなります。安全面を考慮しても、細かい部品に関しては軽いに越したことはないのです。
また、金属の部品を使用する場合よりも騒音が少ない点も長所として挙げられるでしょう。
その代わり、その前に挙げた交換時期のサイクルの早さなどを筆頭に、欠点もいくつかあります。
今後は交換時期があまり早くならないようなタイミングベルトの開発が望まれています。
タイミングベルトとは?
「タイミングベルト」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
あまり日常生活では使う言葉でも物でもないので、よっぽどクルマ好きでなければご存じない方もいらっしゃると思います。
「タイミングベルト」とは、自動車やオートバイなどの「内燃機関=エンジン」の部品のひとつです。
バルブの開閉を行う気筒のカムをまとめて一本にしてある「カムシャフ」トを駆動する為の歯付きのベルトのことです。
簡単に言うと、エンジンを駆動させるために必要なベルトということになります。
「タイミングベルト」が生まれたのはアメリカで、1945年、リチャード・ケースという人が開発しました。
といっても当時はまだまだ普及したとは言いがたく、実際に量産されたのは、1960年代に発売されたグラース社の小型乗用車「グラース1004S」に用いられてからのことです。
以降、1970~1990年代はこの「タイミングベルト」がエンジン部品の一角を担うという乗用車が主流となりましたが、90年代後半に一時期タイミングベルトが廃れかけたことがありました。
原因は、エンジンのスリム化です。クルマの重量で大きな部分を占めるのはエンジン重量です。
エンジンがスリム化するにつれて、当時のタイミングベルトでは対応が難しくなり、ベルトの耐久性、交換時期のサイクルの早さを問題視するメーカーも増えてきて、タイミングベルトが不必要という風潮が高まっていきました。
その後、ローラーチェーンの改良によって「コマ」が小型化され、スリム化したエンジンへの対応も可能となり、騒音も少なく改良されたことから、タイミングベルトはクルマのエンジン部品の主要部分としての地位を低下させ続けています。
また「交換時期」に関しても、まだ改良の余地が残されているようです。
今後のタイミングベルトの生存は、交換時期を遅らせるだけの耐久性をいかにつけさせるかが鍵となりそうです。